先日、一般媒介契約を締結した売主様からお電話がありました。
当初は弊社を含めて3社の不動産会社に売却を依頼されるとのことでしたが、お友達から別の不動産会社を紹介されたため、もう1社追加したいというお話でした。
もちろん、一般媒介契約ですので、複数の不動産会社に売却を依頼することは何も問題ありません。
ただ、正直なところ、私の中では少し考えが変わりました。
実はこの物件、今月オープンハウスを開催しようと計画していたのです。
不動産を売却する際の一般媒介契約は、複数の不動産会社に同時に売却を依頼できる契約です。
弊社でも一般媒介契約をお受けしていますし、売主様が複数社に依頼されること自体に抵抗はありません。
むしろ、売主様ご自身が納得できる方法で売却を進めることが大切だと思っています。
ただし、不動産会社にもそれぞれ販売活動の方針があります。
弊社では、物件によってオープンハウスを開催することがあります。
チラシの作成や印刷、ポスティング、新聞広告など、開催までにはそれなりの費用と準備が必要です。
もちろん、当日の案内にも時間と人手がかかります。
それでも、売却につながる可能性があると判断すれば、積極的に取り組みたいと思っています。
今回も、当初の3社程度であれば、弊社の集客力を生かしてオープンハウスを開催するつもりでした。
しかし、依頼先が4社になると、私としては広告費をどこまでかけるべきか、考え直したくなるのが本音です。
一般媒介契約では、弊社が費用をかけて広告を行っても、最終的には別の不動産会社を通じて成約することがあります。
それは一般媒介契約の仕組み上、当然あり得ることです。
弊社が出した広告をきっかけに物件を知った方が、別の会社に問い合わせることも考えられます。
売主様にとっては、どの会社を通じてでも良い買主様が見つかれば、それが一番です。
ただ、不動産会社が自社の費用で広告を行う以上、費用対効果を考える必要もあります。
依頼先が増えるほど、積極的な広告投資をためらう会社が出てきても、不思議ではないと思います。
売主様からすれば、たくさんの不動産会社に依頼した方が、多くの購入希望者に情報が届くと思われるかもしれません。
もちろん、それぞれの会社が独自のお客様を持っている場合など、複数社に依頼するメリットはあります。
しかし、会社の数が増えたからといって、必ずしも販売活動が充実するとは限りません。
私は、何社に依頼するかという数よりも、それぞれの会社がどのような販売活動をしてくれるのかが大切だと思っています。
弊社では一般媒介契約であっても、レインズへの登録や販売状況のご報告など、積極的な販売活動を心がけています。
ただし、チラシや新聞広告、オープンハウスなど、まとまった費用を必要とする活動については、物件の条件や販売体制を踏まえて判断しています。
今回、売主様が4社目を追加されることについて、私から反対するつもりはありません。
お友達から紹介された会社にもお願いしたいというお気持ちは、十分理解できます。
ただ、弊社としても広告費や人員には限りがあります。
すべての物件に同じ費用をかけられるわけではありません。
今回計画していたオープンハウスについても、開催方法を含めて改めて検討したいと思っています。
売主様には自由に不動産会社を選ぶ権利があります。
一方、不動産会社にも、それぞれの販売戦略や広告予算があります。
一般媒介契約は、依頼する会社を増やせるというメリットがありますが、その一方で、各社の広告活動にも影響する可能性があることを知っていただければと思います。
不動産売却では、依頼する会社の数だけではなく、「どの会社が、どれだけ本気で販売活動をしてくれるのか」。
そこも大切な判断材料ではないでしょうか。