
今日は、ご実家を売却したいというご相談を受け、査定をさせていただきました。
ただ、今回は単純に「査定価格はいくらです」というお話だけでは終わらない案件です。
ご兄弟は4人。
現在、ご実家には一番下の弟様がお住まいになっています。
ところが、ご兄弟のうちお一人がご実家の売却に反対されており、遺産分割についての話し合いにも応じていただけない状況とのことでした。
他のご兄弟としては、「このままではどうすることもできないので、実家を売却して整理したい」と考えていらっしゃいます。
そこで今日は査定を行いましたが、実はこのようなケースでは、査定価格より先に解決しなければならない問題があります。
それが「相続」です。
これは、相続不動産のご相談でとても重要な問題です。
不動産の所有者が亡くなり、相続人が複数いる場合、遺産分割がまとまるまでは、原則として相続人全員が法定相続分に応じて遺産を共有している状態になります。
そして、不動産全体を売却するためには、基本的に権利を持つ方全員の意思をそろえる必要があります。
例えば兄弟4人が相続人で、そのうち3人が、
「もう実家を売却しよう」
と考えていたとしても、残りの1人が反対していれば、3人だけの判断で不動産全体を売却することはできません。
多数決で「3対1だから売却」というわけにはいかないのです。
今回の場合も、まず考えなければならないのは、誰がご実家を相続するのかということです。
4人の共有名義にする方法もあれば、遺産分割協議によって特定の相続人が取得する方法も考えられます。
しかし、遺産分割協議によって取得者を決める場合には、相続人全員で協議を成立させる必要があります。
一人でも合意されない方がいれば、他の相続人だけで遺産分割協議を成立させることはできません。
つまり、今回のようなケースでは、
査定 → すぐ売却
ではありません。
相続関係を整理する → 売却できる状態にする → 媒介契約 → 販売活動 → 買主様を探す
という順番で考える必要があります。
ここが一番難しいところです。
家族ですから、できればご兄弟で話し合って解決するのが一番だと思います。
しかし、何度話をしようとしても応じてもらえない。
売却する、しない以前に、遺産分割そのものについて話ができない。
そのような状態になることもあります。
相続人同士で遺産分割の話し合いがまとまらない場合や、そもそも話し合うことが難しい場合には、家庭裁判所の遺産分割調停という手続を利用する方法があります。
調停では、裁判官や調停委員がそれぞれの相続人の事情や考えを聞きながら、話し合いによる解決を目指します。
それでも話し合いがまとまらなければ、審判によって裁判所が判断する手続へ進むことがあります。
ここまで来ると不動産会社だけで解決できる問題ではありませんので、必要に応じて弁護士や司法書士などの専門家へ相談していただくことになります。
相続人が4人なら、とりあえず4人の共有名義にしておけばいい。
そう考えられる方もいらっしゃるかもしれません。
もちろん、事情によって共有名義にすることもあります。
ただ、不動産を将来売却する可能性があるのであれば、私は「とりあえず共有」ではなく、その後のことまで考えて決めていただきたいと思っています。
4人の共有になれば、将来その不動産全体を売却するときにも、基本的には4人全員の意思を確認しながら進めることになります。
今は仲の良い兄弟でも、それぞれに家庭があり、生活があります。
さらに年月が経って共有者の一人が亡くなれば、その持分について新たな相続が発生する可能性もあります。
そうすると、不動産の権利関係がさらに複雑になることがあります。
「誰が相続するか」は、登記をするためだけの問題ではありません。
その不動産を将来どうするのかまで考えて決めることが大切です。
ここも誤解されやすいところです。
「相続登記さえしてしまえば、不動産会社に頼んで売れるのでしょう?」
必ずしもそうではありません。
例えば兄弟4人の共有名義として相続登記をしても、その不動産全体を売却するのであれば、共有者全員の意思を確認して進める必要があります。
今回のように、もともと売却そのものに反対されている方がいる場合には、共有名義に登記したからといって、その問題が解決するわけではありません。
ですから私は、相続不動産の売却相談では、査定価格だけではなく、「現在の名義は誰なのか」「相続人は誰なのか」「皆さんの意思はそろっているのか」というところも確認します。
今回も、ご実家の査定自体はさせていただきました。
しかし、査定価格が分かったからといって、すぐに販売を開始できる状況ではありません。
ご兄弟4人のうち、お一人が遺産分割の話し合いにも売却にも応じていないからです。
まずは相続関係を整理し、ご兄弟の間で今後この不動産をどうするのかを決めていただく必要があります。
正直なところ、不動産会社がどれだけ頑張っても、家族の話し合いそのものを代わりに行うことはできません。
私たちがお手伝いできるのは、不動産の価値をお伝えしたり、売却する場合の方法をご説明したり、売却できる状態になったあとに買主様を探して、安全に取引を進めたりすることです。
必要であれば、相続登記などを行う専門家へつなぐこともできます。
今回のご相談を通じて改めて感じたのは、相続した不動産は、できるだけ早い段階で家族の方向性を話し合っておくことが大切だということです。
「誰かが住むのか」
「売却するのか」
「残しておくのか」
「誰が相続するのか」
話しづらい内容ではありますが、先送りにしたからといって問題が自然に解決するとは限りません。
むしろ時間が経つほど、相続人の生活環境や考え方が変わったり、さらに次の相続が発生したりして、話が複雑になる場合があります。
都城市・三股町で、
といったことでお困りでしたら、売却できる・できないにかかわらず、まずはご相談ください。
「今の状態なら何から始めればいいのか」を整理するところから、一緒に考えさせていただきます。